AngelBeats!

コラム - リレーコラム AngelBeats!よもやま話

7月14日 
全国的に天気は荒れているそうですが、
東京は晴れ、快晴です。

はじめまして。
アスキー・メディアワークス、電撃G'sマガジン編集部の横山と申します。
電撃G'sマガジン誌上で連載中のコミック、
『Angel Beats!-Heaven's Door-』の担当編集です。

コミックの担当なので、放映中は作画を担当している浅見百合子さんと2人で、アニメ版『Angel Beats!』の展開にワクワクドキドキしていました。……シナリオ読んでたのに。アフレコにも行ったのに。
たぶん立ち位置としては関係者中、最も「いち視聴者」だったのではと思います。
だから、こんな晴れがましい舞台「リレーコラム」に登場するのもおこがましいのですが……、きちんと、コミック『Angel Beats!-Heaven's Door-』のお話もさせていただきますのでちょびっとだけお付き合いいただけるとうれしいです。

で、ほぼいち視聴者の私が、『Angel Beats!』の放映が終わってしまった今思い出すのは、
・『Angel Beats!』が始まるので帰ります!といって飲み会を途中退席したこと
・『Angel Beats!』があるので!といって飲み会に参加しなかったこと。でしょうか。
実は完成版は、本放映のちょっと前に弊社のAB!担当・小荒井(以前リレーコラムでも書いていた人物です)に借りて観せてもらっていたのですが、……なぜかどうしても、本放送で観たかったんです。

・毎週、テレビの前で『Angel Beats!』が始まるのをワクワクして待つ。
・終電に間に合わなくてタクシーで帰って、オープニングギリギリなことに動揺しながら階段を駆け上がる。
・仕事の都合で、放映時間にどうしても間に合わなくて仕方なく会社でみんなで見る。
・ 隣の編集部からの「ユイが!」「日向が!」の絶叫に反応する。
・ エンディングで誰かが増減するたびに、そのキャラの話を語る。
・ 予告編のあの音に、ワクワクする。
毎回が完全にお祭りでした。『Angel Beats!』祭り
。 それに参加したかったんです。
文化祭的というよりはむしろ体育祭的な、参加しているだけでテンション上がっちゃう系の。

そして、お祭りはどこか遠くで開催してるなー、ってだけじゃ楽しくないんですよね。1人で参加しても……寂しいですよね。
いっしょに遊んでくれる人がいるから、お祭りは楽しいんですよね。
ここを読んでくれている人は、きっと一緒にわたしとお祭りを楽しんでくれた人だと思います。楽しかったですよね!ね!
『Angel Beats!』が毎週放送されていたなんて、あの期間は夢のようだった……。
そしてこれから毎月コミックやDVDとブルーレイ、ライブなどなど……、まだまだお祭りが続くんですねー楽しみすぎる……!

……って過去のリレーコラムの前のほうを読み返したら「祭りにします」の文字が。

なんと、まんまと私は踊らされたわけなのでしょうか。編集なのに?
いえ、編集も人間ですから。そういうこともあるんですよ。
私も、本物の人生を生きているんですから!!!
……すみません、ちょっとテンションが上がっちゃいました。

さて、コミックのお話をします。
『Angel Beats!』の企画がある程度進んだところで、コミック化の話が持ち上がりました。
そしてそれは、ほぼ時を同じくしてG'sマガジンにコミック係として他部署からやってきた私の、最初の仕事にして最重要ミッションとなりました。

引き受けたはいいですが、着任そうそう大変だなぁと思いながらも、シナリオを読み感動し、キャラデザを見てキラキラし、そしてその規模を知って驚愕したのです。
これは大ッ変な仕事なんじゃないかなぁ……と予感して……。

そしてその予感は当たり、大変な仕事でした。
まずは作家さんが決定するまでに非常に長い時間がかかりました。
麻枝さん、Na-Gaさんの求めるものは、明確でした、だからこそ難しかった……。だってコミック化に向けて動き出したのは去年の春。
まだ『Angel Beats!』の詳細は関係者以外ほぼ誰も知らなかったんです。
G'sマガジンで公開されているのも、わずかなビジュアルのみ。

麻枝さんたち、そして私たちが求めていたのはたった一つ、『Angel Beats!』を描ける作家さんであることでした。 でも極秘資料をほいほい渡すわけにはいかないから、どうも説明が難しい……だけど『Angel Beats!』を大事に育ててくれる作家さんを見つけたい……。それはもう、食堂に舞う食券の中から、たった一枚の麻婆豆腐の券を探すにも等しい、途方もない作業のように思えました。

その間、「コミック係としてG'sにやってきたのに、放映前に連載開始しなかったらクビになったりするのかな……」とか、毎回打ち合わせのたびにビクビクしておりましたことをココに告白します。

ただ、現在連載中の作家さん、浅見百合子さんを発掘(?)してからの展開はものすごく早く話が運び……、放映直前の3月に『Angel Beats!-Heaven's Door-』の連載が始まったのです。

あ、今だから言いますが、余りにトントン拍子だったのでロゴデザインの発注が間に合わずG's5月号に掲載されている1話目だけ、ロゴが違います。
お手元にある方は、2話目以降と見比べてみても面白いかもしれません。
デザイナーさんが作ってくださった現在のロゴが、どれだけイカしているかがわかると思います。

「決定後はトントン拍子に進んだ」、と書きましたが、そうなった理由は浅見さんのコミックを見ていただければ納得!だと思います。

アニメをコミックとして表現する……、それってみなさんがお察しの通り、かなり難しいんです。 だって、音がないので。声がないので。キャラクターって"ぜんぶ"を含めてその子、ですよね。声も含めて。 ですからコミックは、不利といえば不利なんです。でも、麻枝さんに監修していただいて、浅見さんが描く『Angel Beats!-Heaven's Door-』は、声がなくとも、音がなくとも『Angel Beats!』の世界そのものです。

それは麻枝さんのシナリオを浅見さんが読み込んでいること、麻枝さんとNa-Gaさんの、あまりにも的確にして愛のある監修があること、Na-Gaさんと浅見さんの画の親和性が高いこと、そして浅見さんが『Angel Beats!』をコミックとして描くために必要なことを研究し続けていること、それはすなわち、関わっている人たちが『Angel Beats!-Heaven's Door-』に対して、アニメと同じく全力であるということ、それらがそうさせているのです。

私は作家さんとの打ち合わせの際、「マンガは生き物です。私たちの育て方次第でどのようにもなるんですよー。」ということをよくいいます。
ただ、どう育てたいか、といえば、ほかならぬ読者のみなさんに楽しんでいただけるよう、愛していただける作品になるよう、育てたい。

間違いなく『Angel Beats!-Heaven's Door-』は、『Angel Beats!』を名乗るに足る、すばらしい作品になります。
『Angel Beats!』をいっしょに楽しんでくださっている皆さん、これから先、私たちが丹精こめて育てる『Angel Beats!-Heaven's Door-』もどうぞいっしょに楽しんで、愛してください。

よろしくおねがいします。

第一話http://dol.dengeki.com/g-net/comic/ab/?news
電撃オンラインで無料公開中です。

電撃G'sマガジン編集部 横山

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